ST15iでCarbonROM kitkatレビュー

 IONに対応したCarbonROM CM11(Android4.4.2)2014年4月20日版のレビューです。初めに結論を言うと良いROMです。IONってなに?という方はこちらをご覧ください。

 

 以前はCarbonROMのSmurtlon公式ダウンロードページにいくつかPMEM採用カーネルのROMがあったのですが、今の所はION採用版しかありません。おそらくサーバーを移動した際に消してしまったのではないかと思われます。

 

CarbonROMとは

 LegacyXperia(略してLX)から派生したカスタムROMです。そのためブート画面ではLXのマークが表示されます。LXは素のAOSP(NexusのようなピュアなAndroid)を2011年製Xperiaに移植する目的で誕生しましたが、CarbonROMはデフォルトで便利機能を詰め込んだROMとなっています。こちらからダウンロードしてください。Downloads « CarbonROM XDAのスレッドはこちら。[ROM][AOSP][Nightly/Release] CarbonRom KitKat [ Mini/Mini Pro/Active/LWW ]

 

 

Pieがかっこいい

 CarbonROMには色々な便利機能が付いているのですが、特に特徴的な機能はPieだと思います。これがPieです。

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 左端、下、右端に設置する事が出来ます。次は右に設置してみましょう。指を右端に薄く浮かぶ半円に重ねると…

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 白くなりました。この状態で指を離せば右に設置されます。

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 Pieの起動方法は設置した画面端から内側へサッとなぞります。右端に設置したなら右端から指を左へ動かし、下なら下から上へ動かします。

 

 

難点

 フリック動作と重なるとよく誤作動します。下に設置すると文字をフリック入力する時、「ん」を出そうとしたのにPieが起動します。左に置くとGmailやGoogle Playを使うときによく誤作動します。右が一番向いていると思いますが、右持ちの場合Pieを出すのが少し大変です。

 

 

Pieを有効にしよう&ボタンを変更しよう

 設定>Carbon Fibers>Pie>SlimPieにチェックを付けることで有効になります。続けて>Buttonsに移動してこの画面。

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 デフォルトのボタンは左へフリックすることで消すことが出来ます。「+」を押せばボタンが追加出来ます。Buttons Second layerも同様です。

 

 

その他機能

 通知をロックスクリーンで強調。ダウンロード、アップデートのスピードをステータスバーに表示。通知に何もないときだけ常にQuickPanelを開く。etc.

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電池持ち

 文句なしです!

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気になった事

 全体的に質の高い素晴らしいROMですが、バグも少しあります。例えばWiFiテザリングを利用したあとOFFにしても電波が消えません。再起動する必要が有ります。音楽を聴いていると操作を受け付けなくなる事があり、全体的に非常に重くなります。これも再起動する必要があります。

 

 フォントはCJKフォント、いわゆる中華フォントです。中華フォントでは「置・刃」はこのように表示されます。

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 このように日本語ネイティブからすると違和感のある漢字がありますが、ほとんどの漢字は普通です。私は気にならないのでフォントを変えておらずアドバイス出来ません。申し訳ないです。変える際は先にCWMでバックアップを取ると安心です。

 

 

注意してほしいこと

 このROMはカーネルにIONを採用しています。そのため焼く際はまず公式ICSを焼き、リカバリーに入り、SDをマウントし、システムをフォーマットし…というmikeioannina氏推奨の方法をした方がいいと思います。XDAではこの方法をクリーンインストールと呼んでいます。

 

 クリーンインストールを知らない方はこちらの「Steps required for correct installation」をご覧ください。CWMはカーネルに内蔵されています。

 {Mini/MiniPro/Active/Live}[DEV][KitKat 4.4.1][CM11.0] LegacyXperia

 

 そして2011年製XperiaにCarbonROMをビルドして提供してくださっているvishal_android freak氏は現在学生であり、かなり勉強で忙しくなってしまったらしいので頻繁なアップデートは期待できないかもしれません。可能ならご自身でビルドしてみるのもいいでしょう(スペックが低いパソコンだと10時間以上ビルドに時間がかかるかも…)。私は開発者様に感謝をしつつゆっくり待ちます。

Legacy Xperia、新たなステージへ

 2014年5月18日現在、2011年製XperiaのカスタムROMに大きな動きがありました。それは新しいメモリ管理システム、IONの採用です。 IT素人による解説です。

 

 今月、Legacy Xperiaとそこから派生したCarbon ROM・VanirAOSPの3つ全部がカーネルにIONを採用したNightly ROMを公開しました。他にもあると思いますが私が把握しているカスタムROMはこの3つです。

 

IONとは?

 まずIONの説明の前に。スマートフォンはSoC(cpuみたいなやつ)とハードウエア(画面、スピーカー、カメラなど)の間にバッファメモリというものを置き、それを経由して情報をやり取りしています。例えばカメラアプリを起動して操作するとき、その情報は直接SoCとやり取りされません。まずバッファメモリに蓄えられ、それをSoCが読み取り、次に処理した情報をまたバッファメモリに書き込み、それをカメラアプリが読み込むといった流れになっています。※IT素人による解説です。ここでやり取りされる情報はカメラアプリならカメラアプリのみが利用する情報であり、他のアプリは利用しません。こういったSoCとのやり取りで生まれる情報は一時的であり、常に消され、その消されたスペースは別のアプリが利用します。

 

 ICSより古いバージョンのAndroid OSではこのバッファメモリの管理はSoCベンダーが行う必要が有りました。つまりSoCベンダーがSONYとSamsungに自社のSoCを売るなら二社分のメモリ管理用のドライバを提供する必要があったのです。これでは大変だということでGoogleは「ICSからOSレベルでメモリ管理システムを採用する」ことを決定します。このシステム名がIONです。

 

 

問題発生

 Snapdragonを販売するQualcommのメモリ管理システム名はPMEMといい、2011年製Xperiaの中でも動いています。これは公式ICSを焼いた場合でも変わりません。

 

 これらXperiaにJB以降のカスタムROMを焼いた場合、問題が発生します。例えば、CM10を焼いた2011年製XperiaでGoogle MAPを開くと画面がガクガクと揺れます。これはQualcommが提供するグラフィックドライバがIONのみになった事が原因です。実際、バージョン6.14.5以前のGoogle MAPは全く問題無く動きます。これはGBが利用できる最後のバージョンです。

 

 この問題を解決するにはカーネルを作り替えてIONを採用する必要が有ります。しかし、IONを採用した場合、今度はカメラが動かなくなる問題が発生します。なぜならカメラを動かすドライバはSONYによって作られており、このドライバはPMEMでしか機能しないからです。つまり、PMEM向けのドライバとION向けのドライバが一緒に動く環境が一番の理想であり、これはとても困難な事でした。

 

 

解決策

 私は詳しく理解できていませんが、IONの上にPMEMを置くことでカメラを犠牲にすることなくIONに乗り換える方法がGalaxy S Plusのハッキングチーム、とくにその中のChristopher83氏により開発されました。そしてその手法は2011年製Xperiaでも有効だったそうです。これによりLegacy Xperiaチームの中でもIONとPMEMのハイブリッドカーネルの開発が続けられていました。それがようやく形になったため最近のカスタムROMにはIONが採用される傾向があります。

 

 

参考にしたサイト

What is ION?

https://github.com/LegacyXperia/Wiki/wiki/What-is-ION%3F

 

The Android ION Memory Manager

http://android-revolution-hd.blogspot.jp/2013/08/the-android-ion-memory-manager.html

 

 

低スペックAndroid機でも快適ブラウジング

 私はSony Ericssonの小型アンドロイド機、Xperia miniが大好きです。今でもメイン機として利用しています。しかしminiは2011年に発売されたため力不足。不便な事もたまに起きますが、愛しさと工夫する心意気があれば受け入れる事が可能です。

 

 これはXperia miniだけではありませんが、低スペックな端末でブラウジングをするとページ表示の遅さにうんざりします。そこで解決策をご紹介します。本当に変わるのでオススメです。root化する必要はありません。

 

Opera Classicをインストールしよう

 Classicが付かない方やChromeは低スペック機には重過ぎます。インストールしたらアプリを起動してURL欄に「opera:config」と入力してエンターキーをタップしてください。

 

 「設定ファイルエディタ」というページが開きましたね。このページはブックマーク出来るのでしておくと便利ですよ。それではExtensionsをタップしてください。展開された項目からScriptingを探してチェックを外します。保存を押してください。

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 これでJavaScriptが無効になりました。この時点で高速になったはずですが、モバイル用のWEBページはJavaScriptが無効だと非常に不便でリンクを辿れなくなる事も多いので次はパソコン用のページを表示させるように設定します。

 

 こちらのサイトで様々なUser Agentが一覧表示出来るので、好きなものを選んでコピーしてください。例えばIEならこれです。

Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 10.0; Windows NT 6.2; ARM; Trident/6.0)

 

 コピーしたらOpera Classicの設定ファイルエディタのUser Prefsという項目を展開し、Custom User-Agentを探してそこに先ほどコピーした文字列をペーストして保存を押してください。これでモバイル用ではなくパソコン用のWEBページが表示されるようになりました。(モバイル用ページが表示される事もよくありますが)これで完了です。

 

 

おまけ:広告フィルター、JavaScriptを選択的に有効

 広告を消すことで更にページ表示が早くなります。以前はこちらのサイトにある「じぇねれいと」をクリックする事でフィルターがダウンロード出来ましたが、2014年5月14日現在は出来ません。手動でやる場合はこちらのサイトを参考にしてください。一応私もzip形式で上げておきますので展開してお使いください。urlfilter.ini.zip

 

 urlfilter.iniをスマホ内に保存したら次にOpera Clasicの設定ファイルエディタを開いてNetworkという項目を展開します。そしてURL Filter Fileを探して「選択」をタップしてください。バックキーを押して階層のトップまで戻り、保存したurlfilter.iniを選択します。もし私が上げたzipをスマホでダウンロードし、展開したのならDownloadフォルダにあると思います。選択して保存したらOpera Clasicを完全に終了して再度立ち上げたら広告フィルターが有効になります。完全終了の方法は設定>詳細ツール>終了ボタンをOnにすることでメニューに終了ボタンが表示されますのでボタンを押してください。

 

 

 JavaScriptを選択的に有効とはつまり「任意のサイトだけJavaScriptが働くようにする」という意味です。例えば、よく利用するサイトがJavaScript無効では何も表示されない場合などこの設定が役に立ちます。参考としてNHKオンラインJavaScriptを有効にします。

 

 このブログはコードを書くと意図した通りに表示されないので画像を貼ります。

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 上の画像のようにhttp://は抜いたURLをテキストファイルに打ち込んで、override.iniと名前を付けてスマホ内に保存してください。そしてOpera Clasicの設定ファイルエディタを開いてUser Prefsという項目を展開します。そしてOverrides Fileを探して「選択」をタップ、階層の一番トップに戻って先ほど保存したoverride.iniを選択してOpera Clasicを完全終了します。再度立ち上げることで任意のサイトだけJavaScriptが有効になります。

 

 

失敗したからリセットしたい場合

 手を加えた項目を覚えている場合は「デフォルト」をタップして保存してください。覚えていない場合は設定からアプリのデータを消去してください。